2022年11月29日

資格なしでも医療事務のお仕事に就くことはできる?

医療事務の求人には、無資格でも未経験でも応募できるものがありますが、資格取得を目指す人もたくさんいます。求人側の思惑や現場の状況、また応募者の実情などもふまえて、どうして医療事務資格を持っていたほうがよいのか、検証してみましょう。

医療事務のお仕事は無資格・未経験でも就職できる?

医療事務として働くには、医師や看護師のように、必須の資格や学歴・実務経験などの条件はありません。そのため、資格を持っていない人や未経験の人でも、採用選考を突破すれば、誰でも医療事務として働くことができます。

医療事務の資格を取得するメリット

医療事務の資格を取得するメリットは、いくつかありますが、ここではそのうちの5つを例に挙げて詳しく説明します。

資格があれば、現場で即戦力として受け入れられやすい

医療事務のお仕事には、資格がなくても就くことができますが、その場合は採用が決まって、実際に働き始めてから、周りの指導や協力を仰ぎつつ知識を増やしていくということになります。新人教育に力を入れているような、人員的にゆとりのある職場なら採用の可能性もありますが、少人数で効率アップを狙っている職場が多い昨今、即戦力として活躍できる人材が求められる場合が増えているので、資格を持っているかどうかが、採用の大きな分かれ目になることは明らかです。

医療事務として働くチャンスを着実にものにしたいのであれば、資格を取得しておくことは、採用選考を突破するうえで、大きな武器となるでしょう。

医療事務資格を持っていれば、採用担当者にアピールしやすい

実際に多くの医療機関で医療事務業務を担っている医療事務代行会社の担当者によると、「病院などで採用を担当するのは現役で医療事務に携わっている医事課の職員が多いため、応募者の履歴書に書かれた資格を見れば一目瞭然で、実力の程度がわかりますし、応募者にとっては、それがアピールポイントになるでしょう」とのことでした。

採用選考の過程で有資格者が有利なのは言うまでもなく、また、お仕事を始めてからも、即戦力となれるかどうか、同僚とよい関係が築けるかどうかは、資格取得に向けて習得した知識にかかっています。

医療事務「未経験」でも採用に一歩近づけるのが資格保有

医療事務の採用を考えている個人経営の医院などでは、事務系職員は少数精鋭のため、できれば他院での経験がある人を採用したいと考えているでしょう。そんななかで他の応募者に勝つためには、やはり医療事務の資格があったほうが有利です。実際に試験合格に至るまでの学習の成果を見てもらえるのと同時に、どれだけ自分がこのお仕事に就きたいかということを、自然にアピールできるでしょう。最初は誰でも「未経験」ですが、はじめの一歩を踏み出すために、資格保有が効果を発揮することは間違いありません。

転職する際にも知識・スキルの証明になる

一度医療事務のお仕事を経験すれば、家庭の事情などで転職する際は経験者として応募できます。しかし、採用する側からみると、実際にどの程度お仕事ができるか不安もあります。医療機関ごとに方法や手順が異なることもあるからです。
こうした際に資格を取得していれば、知識・スキルの水準が客観的に判断され、適切な評価がしてもらいやすくなります。

収入面でプラスになる可能性もある

医療機関や雇用条件などによりますが、同じお仕事でも、資格を保有している場合は、資格手当などが支給される場合があります。また、働きながら資格を取得した際には「報奨金」などの手当が支給される場合もあります。

医療事務のお仕事内容

医療事務のお仕事には、大きく分けると「受付業務」「会計業務」「レセプト業務」の3つの業務があります。

受付業務

来院された患者様の応対を行うお仕事です。診察券・保険証の確認、簡単な問診や紹介状の確認などを行います。患者様が最初に言葉を交わす存在であり、医療機関の印象にも大きく影響がありますので、明るさ、親切さ、丁寧さが求められます。

会計業務

医師の診療が終わった患者様の診療費の会計を行います。最近では電子カルテの普及に伴い、コンピュータ入力によって自動的に金額が算出される場合も増えていますが、医師のカルテと見比べ、間違いがないかをチェックすることも医療事務のお仕事です。

レセプト作成・点検業務

レセプトとは医療機関が健康保険組合などに医療費を請求するために、患者様に行った処置や使用した薬剤などを記載した明細書のことです。月に一度、患者様ごとに作成します。最近ではレセプト作成の電子化が進んでいますが、会計業務と同じく、正しく作成されているかを点検することも医療事務の大切なお仕事です。

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医療事務のお仕事

医療事務の職に就くメリット

ブランクができた後も復職しやすい

医療事務は専門性が高いお仕事のため、経験があることで復職しやすいメリットがあります。何かしらの理由で一度退職した後も、専門知識とスキルを持っていることで、再就職に有利になります。

キャリアアップが可能

プラスアルファの資格を取得して、医師事務作業補助のお仕事もできるようになるなど、業務の幅を広げたり、より難易度の高い業務に対応することで、将来的にリーダー、責任者へのキャリアアップの可能性が広がります。

業務の幅が広く転職に役立つ

受付業務など、相手の気持ちを汲み取って応対する「接遇スキル」、レセプト業務や会計業務など、医療事務ソフトを正確かつスピーディに扱う「PCスキル」、カルテなどの重要な書類を整理・保管する「管理スキル」など、医療事務以外のお仕事にも、基本スキルとして活かせる幅広い業務の経験ができます。

医療事務になるための3つのステップ

パソコンの基本操作を覚えよう

医療事務では、一般事務と同様に簡単な文書作成や表計算を依頼されることもあります。WordやExcelなどの事務のお仕事に必要とされるソフトウェアの基本操作は身につけておきましょう。

スクールや講座で知識をつけよう

医療事務の資格は就職に有利です。スクールに通学したり、通信教育講座を受講して、資格を取得することをおすすめします。未経験でも、「レセプトコンピュータ」という医療事務専用のパソコンについて学習しておくとアピールポイントになります。

未経験でも応募可能な求人を探そう

求人サイトなどで「未経験可 医療事務」などのキーワードで検索してみましょう。スクールによっては、資格取得後の就職をサポートしてくれるところもあります。その場合は、スクールの窓口に相談してみるのもよいでしょう。

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未経験者が医療事務のお仕事に就くためのポイント

実際のお仕事に役立つ知識を学ぶ

未経験からの医療事務の就職では、経験がないことを何をもって補うかが大切なポイントです。経験はなくても資格があれば、少なくとも医療事務のお仕事に必要な基礎知識、スキルを持っていることが証明できます。

早めに就職活動を行う

医療事務は人気があるお仕事と言われていますので、就職の競争率も高いことが予想されます。気になる求人があったら早めに応募しましょう。資格講座を開講しているスクールによっては就職相談ができる場合がありますので、受講期間中に相談するのもよいでしょう。

履歴書や面接で効果的な自己PRを行う

医療事務代行会社の担当者によると、採用時の重要ポイントは次の4つ。志望動機に書くことで、「当院で頑張ってくれるだろう」と思ってもらえる可能性が高まるそうです。

・なぜ医療事務のお仕事をしたいと思ったのか
・なぜこの病院・クリニックを選んだのか
・この病院・クリニックでどのように活躍できるか
・持っている資格(取得予定の資格)

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医療事務の志望動機はどう書く?書類で好印象を与えるポイントを解説!

医療事務に向いている人

相手に合わせたコミュニケーションができる人

人とのコミュニケーションが得意な方は向いているといえます。来院する患者様の状態に応じて、その気持ちに寄り添う「気遣い」「思いやり」が求められます。

PCスキルが高い人

レセプト業務、会計業務、文書管理、業務連絡など、お仕事の多くの場面でPCを使用します。表計算ソフトや文書作成ソフトに関して、より高度な使い方を身につけている人は、医療事務に向いているといえます。

自分で調べてお仕事をするなど自主的に動ける人

医療現場で飛び交う専門用語をインターネットや書籍などで調べ、先輩に積極的に確認するなど、正しい知識を得ようとする意欲が高い人は、医療事務に向いているといえます。

医療事務の資格取得は難しい?

医療事務の資格取得って難しいの?

医療事務の資格はいくつかありますが、受験者が多く規模が大きい資格試験としては「医療事務技能審査試験(メディカル クラーク®)」が挙げられます。受験資格は不問で、学歴や実務経験に関わらずチャレンジすることが可能です。また、試験は毎月実施されていて、「テキスト参照が可能な在宅受験」ですので、暗記が大変などの心配はあまりしなくてよいでしょう。また、万が一試験に落ちた場合も再チャレンジしやすいという特徴があります。

医療事務技能審査試験(メディカル クラーク®)とは?

医療事務技能審査試験(メディカル クラーク®)は、一般財団法人 日本医療教育財団が実施している認定試験で、試験の合格者には「メディカル クラーク®」の称号が与えられます。医療事務の分野では国内最大規模の全国統一試験(当該財団ホームページより)で、1974年からの総受験者数は約170万人、合格者数も96万人を超えています。

医療事務のお仕事をするなら、資格はやはり取得しておきたい!

資格がなくても働ける医療事務のお仕事ですが、このお仕事に就きたいという漠然とした気持ちから、採用状況について調べ、医療現場の実情を知るにつれ、やはり医療事務の資格は必要であると考える人は多いようです。

現在のお仕事や家事、子育てと両立しながら資格を取得したいという場合は、通学コース・通信コースといった選択肢がある、教育講座の受講がおすすめです。あなたのライフスタイルに合わせてムリなく、でも将来を見据えて着実に自分をステップアップさせてくれる講座を選びましょう。

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