2022年01月05日

医療事務の資格は、独学でも取得できるの?

社会の高齢化が進むにつれ、ますます医療の重要性が高まっています。また、それに伴い、医療事務の人気も高まっています。一度取得した専門知識はずっと生かされるので、子育てや介護、引越しなどの生活の変化があっても再就職しやすいというのが、人気の理由です。ここでは、医療事務の資格取得を目指す方に向けて、独学でも取得できるのかという点や、独学のメリット・デメリット、主な医療事務資格試験の合格率について、ご紹介します。

医療事務の資格は、独学でも取得できる?

医療事務は国家資格ではなく民間資格です。民間団体が認定する資格がいくつか存在しますが代表的な資格のひとつに、(一財)日本医療教育財団が認定する「メディカル クラーク®(医療事務技能審査試験)」があります。これまでの総受験者数が163万人を超える医療事務分野で最大規模の試験(当該財団ホームページより)とされていますが、受験資格は不問で、学歴や実務経験にかかわらず、独学でもチャレンジすることは可能です。

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試験の内容は「実技Ⅰ...患者接遇/筆記(記述式)/2問/50分」「学科...医療事務知識/筆記(択一式)/25問/60分」「実技II...診療報酬請求事務/診療報酬明細書点検/4問/70分」となっており、学科試験および実技試験Ⅰ・Ⅱのすべての得点率が70%に達した時点で合格となります。試験ではテキストの参照が可能ですので、比較的取得しやすい資格だといえるでしょう。

独学の勉強方法とメリット・デメリット

先に述べた通り、医療事務の代表的な資格である「メディカル クラーク®(医療事務技能審査試験)」は、独学でも取得することが可能です。でも、本当に独学で取得できるのか不安に思う方もいるでしょう。その他の勉強方法と比べ、独学のメリット・デメリットについて説明します。

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独学の勉強方法

まず始めに勉強で使うテキストを探しましょう。資格スクールの講座で勉強する場合は、講座指定のテキストを使用しますが、独学の場合は、何を身につけるべきかを自分で選ぶことが勉強のスタートとなります。

書店やインターネットで関連書籍を探して、まずは、"医療事務の基礎知識""お仕事がわかる"などのタイトルがついた書籍を読みましょう。問題集などは、その後で選んでも良いと思います。

お仕事内容について理解が進んだら、診療報酬事務についての学習参考書は必須です。"診療報酬事務の基礎知識" などのタイトルがつけられた書籍で一定の知識を頭に入れたら、"問題集""ドリル" などにチャレンジしましょう。なお、診療報酬は通常2年ごとに改定されるため、最新の改定内容を反映したテキストを選ぶようにしましょう。

テキストを選んだら、学習スケジュールを立てましょう。資格試験の日程と参考書の学習単元を目安にすると考えやすくなります。例えば、試験日が3ヵ月後として、テキストが100ページなら、90日間、1日あたり1~2ページの学習を行えば、必要な学習を完了することができます。複数の参考書や問題集も活用するのであれば、その全部のページ数と期間から、無理のない学習量を想定してみましょう。

医療事務の学習について、少し詳しく解説すると、必要な学習は、次のように大きく3つのステップに分けられます。

第1ステップ:医療保険制度について学習する
医療保険制度が理解できると、医療事務のお仕事の全体像がイメージできます。まずは、医療保険制度のしくみや保険証の種類を覚えましょう。医療保険制度は、国民健康保険など10種類ありますので、これらを正確に見分けてコンピュータに入力できるようになる必要があります。

第2ステップ:診療報酬点数の算定方法を学習する
診療報酬点数は、検査・手術・画像診断など14項目に分類されています。この分類ごとに点数や算定条件が設定されていますので、これを学習し、カルテを見ながら点数を算定する練習を行います。点数の学習は、ボリュームがあるので、1週間に1分類を習得するなど、目標を定めて学習計画を立てることをおすすめします。

第3ステップ:レセプト(診療報酬明細書)の記載ルールを学習する
最後に、医療機関が間違いなく診療報酬点数を請求できるように、カルテを基に、正しいレセプトを作成する練習をしましょう。医療事務の資格試験では、主にこのレセプトに関する知識が求められますので、これらの習得を最終目標として学習を進めていきましょう。


独学のメリット

自分のペースで学ぶことができる
独学のメリットは、自分のペースで学ぶことができるという点です。仕事や家事・育児と平行して受験を目指す方にとっては、自分の好きな時間に取り組むことができるのはメリットといえるでしょう。

費用を抑えることができる
独学の場合、参考書・問題集などのテキスト購入にかかる費用と受験料だけしかかからないため、費用を抑えることができるというのも、独学のメリットのひとつです。


独学のデメリット

テキスト選びやスケジューリングをすべて自分一人で行う必要がある
独学の場合、参考書や問題集などのテキストをすべて自分の判断で選定して購入する必要があります。また、学習時間の確保やスケジューリングも意外と大変です。何時から何時までと、あらかじめ決まっているわけではありませんので、仕事や家事・育児の合間に勉強する時間を確保しなければなりません。

質問する相手がいない
通学や通信の教育講座を受講する場合には、わからない点があれば講師に質問することができますが、独学の場合は質問することができないため、すべて自分で調べて解決する必要があります。

実技のスキルを身につけることができない
実技Ⅰの患者接遇や実技IIの診療報酬請求事務/診療報酬明細書点検については、実際にやってみなければイメージがつきにくい点も多く、独学では苦労するポイントです。


医療事務資格試験の合格率

主な医療事務資格試験の合格率と開催頻度、日程を紹介します。あくまで参考情報ですので、詳しくは各試験実施団体のホームページなどで確認してください。

試験名 合格率 ※1 試験実施日程など
医療事務技能審査試験
(日本医療教育財団)
非公開 毎月1回在宅試験を実施。
医療事務管理士®技能認定試験
(技能認定振興協会)
約50% 基本的には2ヵ月に1回(臨時開催もあり)の一般会場試験(感染症対策の期間は在宅受験)か、いつでも受験できるインターネット試験の2種類がある。
診療報酬請求事務能力認定試験
(日本医療保険事務協会)
約30% ※2 年に2回(7月・12月)、全国の主要都市の試験会場で実施。
医療事務認定実務者®試験
(全国医療福祉教育協会)
60~80% 年に2回(7月・12月)、全国の主要都市の試験会場で実施。
  • ※1:合格率は、各試験実施団体のホームページより(2021年11月現在)
  • ※2:過去54回の平均値。医科・歯科の合計。

独学も可能だけど、通学や通信の教育講座の受講がおすすめ

これまで説明したように、医療事務の代表的な資格のひとつである「メディカル クラーク®(医療事務技能審査試験)」は、受験資格が不問なため、独学でも取得することができます。ただし、テキスト選びやスケジューリングをすべて自分一人で行わなければならず、質問・相談ができない、実技スキルが身につけられないというデメリットもあります。

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そのため、未経験の方が医療事務の資格取得を目指すには、やはり通学や通信の教育講座の受講がおすすめです。通学スタイルの講座では医療の現場を知り尽くした経験豊富な講師にいつでも質問・相談することができますし、実技スキルも身につけることができます。また、同じ目標を持ったクラスメイトがいるので、お互いに励まし合いながら学ぶことができます。

通信教育講座であれば、好きな時間や場所で学習できる独学のメリットを維持しながら、講師による添削やアドバイスを受けることもできます。

独学では、まずテキストを選ぶことに多くの時間を費やすことでしょう。実際にテキストを手に取ってみると、学習すべき内容の多さに圧倒され、スタート時点で戸惑ってしまう方も多いかもしれません。その点、講座を受講する場合、わかりやすくまとめられたテキストで学習することができます。また、講師がいることで、多岐にわたる学習項目のなかから必要なポイントを整理し、効率のよい学習方法でリードしてくれますので、学習成果として独学に比べ、大きな差がつくと言えるかもしれません。

これらを踏まえると、医療事務の資格取得を目指すには、独学よりも通学や通信の教育講座の受講がおすすめです。ぜひ医療事務講座(医科)を受講して、医療事務への一歩を踏みだしましょう。


[初回公開日 2018年06月12日]

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