2025年10月14日
実務者研修にかかる費用はいくら?安く抑える方法は?
介護職として活躍の場を広げたい方におすすめなのが「介護福祉士実務者研修」。サービス提供責任者を目指せるほか、国家資格である介護福祉士の受験にも必須となる、キャリアアップに不可欠な資格です。実務者研修の取得を目指す方は、受講費用や、スクールの選び方など、気になる点も多いのではないでしょうか。本コラムでは、実務者研修を受講する際の費用の目安や安く抑える方法があるかなど、スクールを選ぶ上でのポイントについて詳しく解説します。
この記事でお伝えしたいこと
- 実務者研修の受講費用は条件によって変わる
- 教育訓練給付制度や自治体の助成制度、スクール独自の割引制度などを利用すると費用を抑えることができる
- 自分が希望する条件にあったスクールを選ぶことが重要
- 実務者研修の受講にかかる費用はいくら?
- 実務者研修の受講費用が安くなる方法はあるの?
- 就職を条件に、受講料が会社負担またはキャッシュバックされるケースも
- 実務者研修の受講費用がスクールによって違う理由は?
- 実務者研修を受講する際のスクール選びのポイント
実務者研修の受講にかかる費用はいくら?
介護の世界でキャリアアップを目指すために必要な実務者研修の受講には、どのくらいの費用がかかるのでしょうか。実務者研修は、保有している資格によって科目の免除があります。そのため、受講内容や時間が異なり、費用も変わってきます。
まずは、一般的な受講費用の目安を見てみましょう。また参考として、介護講座で120万人以上の修了生を輩出しているニチイの介護福祉士実務者研修の受講料も記載します。
介護資格にチャレンジするのは初めて!介護系の資格を持っていない人の場合
一般的な費用の目安は、およそ11万円~18万円です。
※2025年ニチイ調べ
<ニチイの場合>
受講期間:6ヵ月
学習時間:450時間+医療的ケア講義・演習16時間
受講料:176,000円(税込)
基本的な介護の知識と技術は習得済み!「介護職員初任者研修」「ホームヘルパー2級」を修了した人の場合
一般的な費用の目安は、およそ6万円~11万円です。
※2025年ニチイ調べ
<ニチイの場合>
受講期間:4ヵ月
学習時間:320時間+医療的ケア講義・演習16時間
受講料:110,000円(税込)
介護過程の実際と医療的ケアを重点的に学ぶ!「ホームヘルパー1級」を修了した人の場合
一般的な費用の目安は、およそ6万円~9万円です。
※2025年ニチイ調べ
<ニチイの場合>
受講期間:2ヵ月
学習時間:95時間+医療的ケア講義・演習16時間
受講料:73,333円(税込)
免除科目が最も多い!「介護職員基礎研修」を修了している人の場合
一般的な費用の目安は、およそ3万円~9万円です。
※2025年ニチイ調べ
<ニチイの場合>
受講期間:1ヵ月
学習時間:50時間+医療的ケア講義・演習16時間
受講料:57,627円(税込)
実務者研修の受講費用が安くなる方法はあるの?
実務者研修は教育訓練給付制度や自治体の助成制度、ハローワークの職業訓練などを利用することで安く受講できます。このほか、スクールが設けている割引制度を利用する方法もあります。
教育訓練給付制度を利用する
教育訓練給付制度とは、厚生労働省が指定する教育訓練を受講・修了後、所定の手続きを行った場合に、受講料の一部がハローワークから支給される制度です。支給される金額は教育訓練の種類によって異なり、一般教育訓練の場合、かかった費用の20%(上限10万円)となっています。
受給要件は雇用保険への加入状況や離職からの期間などです。受給を希望する場合は、ご自身が要件を満たしているか、お住まいの地域を管轄するハローワークに確認しましょう。
各自治体による受講費用の助成制度を利用する
介護人材の確保のため、自治体によっては対象地域内の介護事業所への就労などを条件に、実務者研修の受講費用の全額または一部を給付する制度を設けている場合があります。
たとえば東京都江戸川区では、一定の要件を満たすと、実務者研修の受講費用を全額負担してくれる「江戸川区介護職員初任者研修等受講費用助成金」を申請できます。
事業や制度の名称・対象講座・助成される金額・支給条件・申請方法・申請期間などは、自治体により異なりますので、詳しくはお住まいの自治体に確認しましょう。
ハローワークの職業訓練を利用する
ハローワークの職業訓練である「ハロートレーニング」を利用することで、実務者研修の受講費用の負担を抑えることができます。テキスト代など受講費用の一部は自己負担する必要がありますが、要件を満たしていれば給付金を受給しながら受講することも可能です。
ただし、受講するためには筆記試験や面接といった選考を通過する必要があります。費用は地域によって差があり、受講できる会場も限られます。全国の職業訓練コースを検索できる「ハローワークインターネットサービス」の「職業訓練検索」機能で、事前に確認しましょう。
スクール独自の割引制度を利用する
スクールによっては、独自の割引制度を設けている場合があります。たとえばニチイでは、以下のようなキャンペーンや割引制度があります。
・キャンペーン
ニチイでは、受講料が割引になるキャンペーンを不定期に実施しています。割引率やキャンペーン期間などの詳細はニチイの「まなびネット」から確認できます。受講を検討している方は、お得なチャンスを見逃さないよう、こまめにチェックすることをおすすめします。
・割引制度
ニチイにはオリジナルの割引制度があり、実務者研修においては以下の3つが適用対象となっています。
<紹介割引>
友人や知人にニチイの受講経験者もしくは受講中の方がいて、その方からの紹介の場合、受講料が10%割り引きされます。
<学生割引>
現在、大学・短大・専門学校・高校のいずれかに在学中の方は、受講料が10%割り引きされます。
<受講経験割引>
ニチイの講座の受講経験者は、受講料が10%割り引きされます。
就職を条件に、受講料が会社負担またはキャッシュバックされるケースも
スクールによっては、スクール運営企業の介護事業所での就業などを条件に、受講費用が無料になる制度を設けている場合があります。
たとえばニチイでは、実務者研修を受講中または修了後、ニチイの介護スタッフとして就職し、所定の条件を満たすと、支払った受講料相当額が全額戻ってくる「受講料キャッシュバック制度」を利用できます。(課税対象です)
また、無資格でニチイに入社し、受講料会社負担(課税対象)で実務者研修の資格取得を目指せる「資格取得支援制度」もあります。
実務者研修の受講を検討するうえで費用面がネックになる方もいるかもしれませんが、上記のような割引制度やキャッシュバック制度をうまく使うと、自己負担額を減らすことが可能ですので、ぜひ活用してみてはいかがでしょうか。
実務者研修の受講費用がスクールによって違う理由は?
地域や立地の影響
実務者研修の受講には通学が必須のため、受講にかかる費用は、教室が所在する地域や立地の影響を受けます。まず、賃料や人件費などの運営コストは、地方よりも都市部の方が高くなるため、受講料も都市部の方が高くなる傾向があります。また、同じ都市内・地域内であっても、駅に近く利便性の高い「駅近」の立地は、車でのアクセスが主となる「郊外」の立地に比べて賃料が高くなります。これらの理由から、受講費用は「都市部か地方か」そして「駅近か郊外か」という条件の組み合わせによって変動します。
教材や受講方法の違いによる影響
実務者研修のカリキュラムは、基本的にどのスクールでも変わりません。しかし、使用する教材や受講方法はスクールによって異なる場合があり、それが受講料に差が出る要因の1つになっています。例えば、教材および副教材の種類が充実していたり、Web学習に対応しているスクールは、受講料が高くなる場合があります。
また実務者研修には「通信+通学」と「通学のみ」の受講方法がありますが、教室を用意し、講師を確保し続ける必要があるため、通学のみの方が費用は高額になる傾向にあります。
付帯サービスの内容の違いによる影響(サポートの充実度など)
サポートの充実度など、付帯サービスの内容によって受講費用は変化する場合があります。たとえば、講義外の時間でも質疑応答ができたり、就職のアドバイスや斡旋を行ってくれたりするスクールでは、講義以外の人員配置が必要なことから、その分を受講費用に反映させていることがあります。
ここまで受講費用が変わる3つの要因を解説しましたが、特に受講費用の中で大きな部分を占めるのは、場所や規模といった「教室」のコストと、指導の経験やスキルに基づく「講師」のコストです。教材やサポート体制にも左右されますが、これら2つの固定費・人件費が、スクールごとの価格差に大きく影響している可能性があります。
実務者研修を受講する際のスクール選びのポイント
通いやすいか
実務者研修は通学が必須なため、ご自身が無理なく通い続けられるスクールを選ぶことが大切です。まず確認したいのが、自宅や職場からの「アクセスのしやすさ」です。駅からの距離や乗り換えの利便性などを考慮し、移動が負担にならない立地のスクールを選びましょう。
また、「クラス設定の豊富さ」も重要なポイントです。特に、お仕事や子育てと両立するなら、開講している曜日や時間帯の選択肢が多く、ご自身のライフスタイルに合ったクラス設定のあるスクールを選びましょう。さらに、カリキュラムの一部を通信で学べるコースを選ぶのも1つの方法です。通学する日数が減るため、移動の負担そのものを軽減できます。
授業の振り替えや受講期間の延長が可能か
実務者研修のカリキュラムは科目免除のない無資格者の場合、全20科目で、計450時間以上に及びます。このうち、1時間でも受講できなかった場合、修了とみなされません。お仕事や急病など、やむを得ず講義を受けられない場合を想定して、振り替え講義や受講期間の延長が可能かを確認しましょう。
講師に質問しやすいか
実務者研修は履修範囲が広く、実技やレポートでつまずいてしまう方も少なくありません。そのため、わからない点をすぐに質問・解決できるサポート体制が整っているかは、スクール選びの重要なポイントです。
対面講義での直接の質問はもちろん、通信学習中でもメールやオンラインで質問できるスクールがあります。疑問を放置せずに学習を進められる環境かどうか、事前にしっかり確認しましょう。
就職・スキルアップ支援などのサポートが充実しているか
実務者研修のスクール選びでは、サポート内容の確認も大切です。受講中の質問対応だけでなく、就職に関する情報提供や、実習に関する相談といったサポートを提供しているスクールもあります。
サポート体制はスクールによってさまざまです。例えば、修了後の就職を重視するなら就職支援に強いスクール、介護福祉士の国家資格の取得を目指すなら受験対策講座を設けているスクールというように、ご自身の目的に合ったサポートが受けられるかを確認しましょう。
実務者研修を受けるならニチイの講座がおすすめ
介護の現場で求められる知識や技術は、日々進化しています。全国に約1,900の介護拠点を持つ「介護のリーディングカンパニー」のニチイなら、常に最新のニーズを反映した実践的な知識と技術が学べます。
サービス提供責任者へのステップアップや、国家資格「介護福祉士」の取得に必須となるのが実務者研修です。日々のケアの質を高めたい方はもちろん、介護のプロとしてキャリアを確立したい方は、ぜひチャレンジしてみてください。
[初回公開日 2018年03月30日]