2025年02月03日

実務者研修は難しい?難易度やスムーズに修了するためのポイントを解説!

介護福祉士実務者研修は、現在介護の現場で働いている方がステップアップのために受講を検討することが多い資格です。介護従事者にとって、内容自体はそれほど難しいものではありませんが、修了するのが大変なのではないかと、なかなか挑戦に踏み切れない方も多いのではないでしょうか。

実務者研修を難しいと感じる理由は、大きく分けて4つあると思われます。この記事では、その理由を解説したうえで、スムーズに修了するポイントをご紹介します。受講を考えているけれども、修了できないのではないか、難しいのではないかと不安を感じている方は、ぜひご覧ください。

実務者研修は難しい?

介護のお仕事に携わっている方であれば、実務者研修を修了するのは、それほど難しいことではありません。ここではまず、そもそも実務者研修とはどういったものなのかを確認しましょう。


実務者研修とは

実務者研修とは、介護職員初任者研修の上位に位置する資格で、正式名称を「介護福祉士実務者研修」と言います。経管栄養や喀痰吸引などの「医療的ケア」を含む介護の専門的・実践的な知識と技術を学びます。

介護福祉士になるための介護福祉士国家試験を、実務経験ルートで受験する場合は、介護の実務経験3年(実働日数540日以上)に加えて、実務者研修の取得が必要です。

実務者研修の受講方法

実務者研修は、すべての科目を通学で学ぶカリキュラムを採用しているスクールもありますが、多くのスクールで通学学習と通信学習が併用されています。学習科目のうち、「介護過程Ⅲ」と「医療的ケアの演習」は通学が必要です。

実務者研修の受講時間

実務者研修は、全部で450時間+医療的ケアの演習の時間の受講が必要です。保有している資格によっては、科目が一部免除されますが、どの資格保有者でも、医療的ケアの講義50時間と演習の受講は必須です。例えば、初任者研修を修了している方は、受講時間は320時間+医療的ケアの演習の時間となります。

実務者研修を修了するメリット

実務者研修を修了するメリットは主に4つあります。

介護福祉士国家試験の受験資格を得られる

実務者研修を修了し、介護の実務経験3年(実働日数540日以上)があれば、国家資格である介護福祉士の試験を受験できます。実務者研修は、受験前に修了しておくか、修了前の場合は、受験する年度の3月31日までに修了予定であることを証明する「修了見込証明書」があれば受験可能です。

喀痰吸引などの医療的ケアについて学べる

実務者研修では、経管栄養や喀痰の吸引などの一部の医療的ケアについても学びます。なお、喀痰吸引の実務を行うためには、別途、喀痰吸引等研修を受講する必要がありますが、実務者研修の修了者は、この研修のうち基本研修が免除されます。

サービス提供責任者として働くことができる

実務者研修を修了すると、訪問介護サービスにおいて重要な役割を担うサービス提供責任者として働けるようになります。サービス提供責任者は、ケアマネジャーと介護職員、そして介護サービスご利用者の間をつなぎ、介護サービスの管理や調整を行うお仕事です。

職場によっては給与アップが期待できる

介護事業者によっては、実務者研修の修了者に手当てが支給される場合があります。また、キャリアップによる給与アップも期待できます。

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実務者研修の難易度

初任者研修とは異なり、実務者研修は修了試験の実施は義務付けられていません。しかし、学習内容の理解度を確認し、受講者がしっかりと知識や技術を習得できるようにするため、多くのスクールでは修了試験を実施しています。修了試験があることで、受講者は研修内容を振り返りながら、学んだことを体得することができます。

実務者研修の修了試験は、落とすことが目的ではありません。スクールによって出題内容や採点基準に違いがありますが、不合格になっても再挑戦できるので、合格率はほぼ100%と言われています。

実務者研修を難しいと感じてしまうであろう主な理由

無資格の方でも受講できる実務者研修ですが、多くの受講者が初任者研修などの介護資格を所有していたり、現役で介護職に従事していたりします。そのため、受講内容よりも「修了するのは楽ではない」という点に、実務者研修の「難しさ」を感じる方が多いのではないでしょうか。
実務者研修の修了を「難しい」と感じてしまう理由として、以下の4つが考えられます。

課題に取り組む時間を確保することが大変

実務者研修の受講中は、課題に取り組む時間を確保する必要があります。課題の提出を忘れると次の講義に進めず、修了要件を満たせません。また、課題が基準点に満たなかった場合には、再提出が求められます。

スクーリングにすべて出席するのが大変

実務者研修には、通学必須の科目があります。初任者研修を修了した方で一般的に7~10日、最も履修科目が少ない介護職員基礎研修を修了した方でも2~3日ほどの通学が必要です。必要な日数をすべて出席できるのかは、不安を感じるポイントの1つです。

試験に向けた学習時間の確保が大変

実務者研修はスクールによって修了試験の実施有無が異なりますが、修了試験があるスクールの場合、お仕事や家事・育児と両立しながら、修了試験前に復習する時間を確保できず、試験に合格できないこともあります。不合格でも再受験が可能ですが、追加の試験勉強が必要になりますので、なるべく最初の試験で合格するために、計画的な学習が重要です。

学習に向けたモチベーションの維持が大変

実務者研修の受講期間は、保有資格にもよりますが一般的に3ヵ月から6ヵ月が必要です。その間、通学学習・通信学習を続けるモチベーションを維持するのが大変だと感じる方も多いことでしょう。

実務者研修の学習を効率よく進め、修了するポイント

実務者研修を効率よく学ぶためのポイントには、次のようなものがあります。

学習を習慣づける

通信学習の時間を確保するために、「〇曜日の子どもが寝た後」「遅番出勤前」「朝30分早く起きて勉強する」など、通信学習の曜日や時間をあらかじめ決めておくと習慣づけやすくなります。家族に共有して、協力してもらうことも大切です。

課題提出や受講に漏れがないように注意する

実務者研修は、受講や課題提出に漏れがあると修了できません。課題提出やスクーリングの日を確認し、スケジュールやカレンダーにメモをして忘れないようにしましょう。スクールによっては、「〇分以上遅刻すると欠席扱い」などの規定があります。そのような規定があるスクールの場合は、出席しているつもりでも欠席になっている日がないか、確認しておきましょう。

実務者研修の受講を検討される方の大半は、現役介護従事者だと思われます。ご自身の勤務日やシフトを確認しておき、スクーリングをうっかり欠席しないように注意してください。

提出課題で間違えた箇所の復習をする

提出課題で間違えたところは、その都度しっかりと復習しておきましょう。スクールが出す課題は、実務者研修の修了試験に出される重要ポイントであることが多いので、復習をして知識を定着させておくことが大切です。また、講師が示した重要ポイントも試験に出やすいので、振り返りやすいようにマーカーなどで印をつけておきましょう。

スキマ時間を有効活用する

なかなかまとまった時間が取れないという方は、電車やバスでの移動時間、お仕事の休憩時間などのスキマ時間を使って学習時間を確保しましょう。スキマ時間であっても、日々積み重ねることで、まとまった学習時間を確保することができます。

実務者研修をスムーズに修了するためのスクール選びのポイント

実務者研修は通信学習だけでは取得ができず、通学学習が必須となります。そのため、スムーズに修了するには、スクール選びも大切です。

スクールが通いやすい場所にあるか

実務者研修は、初任者研修を修了した方でも一般的に7日ほどの通学が必要です。自宅や職場から通いやすい場所にあるスクールを選びましょう。

土日や夜間など受講しやすいクラスがあるか

実務者研修は働きながら受講する方が多いため、午前のみ・午後のみ・夜間のみ・休日のみなど、多彩なクラス設定で複数の選択肢を用意しているスクールもあります。自分の勤務状況や生活スタイルに合わせて、通いやすいクラスのあるスクールを選ぶと無理なく学べます。

学習のためのサポート制度があるか

学習をスムーズに進められるか不安を抱えている方、知識や技術を着実に身につけたい方は、学習を進めていく中で出た疑問をすぐに解決できるような仕組みや、学習をサポートする制度があるスクールがおすすめです。

例えば、介護のリーディングカンパニーであるニチイでは、「レポート問題」「実技試験」「筆記試験」に対応した3つの対策レッスンを無料で提供していますので、確認してみてください。

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ポイントを押さえてスムーズな実務者研修修了を目指しましょう

介護福祉士国家試験の受験資格を得ることができ、ステップアップにつながるなど、メリットの多い実務者研修ですが、修了するのが難しいのではないかと不安を感じている方も多くいます。


実務者研修は、学んだ内容をしっかり復習し、スクーリングへの出席と課題の提出をきちんと行えば、スムーズに修了できる研修です。無理のない範囲で学習時間を確保し、講師が示した重要ポイントや課題で出題された内容を復習して効率よく学びましょう。研修を順調に終えるためには、通いやすくてサポートが手厚いスクール選びも重要です。この記事の内容を参考に、スムーズな研修修了を目指してください。

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