2024年10月10日

実務者研修は働きながら取得できる? 費用や期間、取得するためのポイントは?

介護職の方がステップアップや転職を考えたときに、ぜひ取得しておきたいのが介護福祉士実務者研修です。しかし、取得には一定期間スクールに通う必要があるため、働きながらでは難しそうだと考えている方もいらっしゃると思います。

実際には、働きながらでも通いやすいクラス設定をしているスクールもあり、お仕事をしながら取得している方も多くいます。 この記事では、働きながら実務者研修を取得するポイントと期間、費用について解説します。

実務者研修とは?実務者研修の資格を取得するメリット

実務者研修は、介護の専門的・実践的な知識と技術を学ぶ研修です。介護職員初任者研修の上位に位置する資格で、正式名称を「介護福祉士実務者研修」と言います。研修では、経管栄養や喀痰吸引などの一部の医療的ケアについても学びます。

国家資格である介護福祉士の試験を、介護の実務経験3年の要件で受験する場合に実務者研修の取得が必要です。受験申し込み時に「修了証明書」または、「修了見込証明書」が必要なため、受験申し込み前に取得しておくか、修了見込みで受験される方は、受験年度の3月31日までに取得できるように気をつけましょう。

また、実務者研修を取得すると、サービス提供責任者として働けるようになったり、一定の要件を満たすことで喀痰吸引等の医療行為ができるようになるメリットがあります。

実務者研修は、今、勤めている介護事業所でのキャリアアップや転職を考えている方など、介護業界で活躍の幅を広げたいとお考えの方におすすめの資格と言えるでしょう。

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実務者研修を働きながら取得する際のポイント

実務者研修を働きながら取得するために、知っておきたいポイントをご紹介します。

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通学+通信で学べるスクールを選ぶ

実務者研修は、通学での受講が必須ですが、自宅学習で修了できる科目も多くあります。お仕事をしながら取得を目指すのなら、すきま時間を活用できるなど、学習時間の工夫がしやすい通信学習を取り入れた、通学+通信で学べるスクールがおすすめです。

通いやすいクラスを選ぶ

実務者研修では、午前のみ・午後のみ・夜間のみ・休日のみなど、さまざまなクラス設定を用意しているスクールがあります。

ご自身の勤務状況や生活スタイルに合わせて、通いやすいクラスのあるスクールを選びましょう。

受講期間は十分か

体調不良やお仕事の都合で、予定通りに実務者研修が修了できないこともあるかもしれません。予定通りに学習が進まない事情が生じても、すべての科目の受講を終え、研修が修了できるよう受講期限が長く設定されているか、修了できない場合のサポート制度はあるかなどを、あらかじめ確認しておくと安心です。

実務者研修は通学での受講が必須となる科目があるので注意

実務者研修は通信学習だけでは取得ができず、学習科目のうち「介護過程Ⅲ」「医療的ケア(講義・演習)」は、通学での受講が必須です。通学する曜日・時間・頻度などのスケジュールは、スクールによって異なるので事前に確認しておきましょう。

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実務者研修を働きながら取得するのに必要な学習時間と期間

実務者研修を取得するのに必要な学習時間や期間は、保有している資格によって異なります。
実務者研修は、全部で450時間の受講時間が必要です。保有資格によっては、一部の科目が免除されます。受講時間の違いは、以下の表をご覧ください。

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保有資格 実務者研修・
必要受講時間
介護職員初任者研修 320時間
ホームヘルパー1級 95時間
ホームヘルパー2級 320時間
ホームヘルパー3級 420時間
介護職員基礎研修 50時間
認知症介護基礎研修 450時間
無資格 450時間

いずれの場合も、上記の学習時間とは別に医療的ケアの演習を通学して受講する必要があります。

介護職員初任者研修を修了している方は、受講時間は320時間の研修および医療的ケアの講義・演習で、目安として約4ヵ月の期間が受講に必要です。無資格の方と認知症介護基礎研修修了のみの方は科目の免除がなく、450時間の研修および医療的ケアの講義・演習となり、最低でも6ヵ月の受講期間が必要です。

初任者研修を取得せずに実務者研修を取得することもできますが、可能であれば初任者研修を先に取得することをおすすめします。実務者研修は初任者研修よりも上位の資格ですので、未経験で受講すると、内容が難しいと感じてしまうこともあるかもしれません。初任者研修で、介護職員として働くうえで必要となる基本的な知識と技術を学んでから、実務者研修を受講するほうが、学習に取り組みやすく、また、さらなるステップアップを目指して実務者研修を受ける際には、初任者研修で受講した130時間分が、実務者研修の受講時間から免除されるメリットもあります。

ここまでお伝えしたように、実務者研修は、通学での受講が必須となる科目がありますので、勤務時間も考慮して、ご自身が通いやすいスクールを選びましょう。

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実務者研修の取得に必要な費用とその抑え方

実務者研修を取得するのに必要な費用は、受講するスクール、保有資格によって変わります。一般的な目安としては、10~18万円程度です。
できるだけ費用を抑えたいという方には、次のような方法があります。

公的給付制度を利用する

実務者研修の費用に適用される公的給付制度はいくつかあります。

●教育訓練給付制度

教育訓練給付制度は、働く方々の主体的な能力開発やキャリア形成を支援し、雇用の安定と就職の促進を図ることを目的とした、厚生労働省による支援制度です。厚生労働大臣が指定する教育訓練を修了した際に、受講費用の一部がハローワークから給付されます。

教育訓練給付制度には、専門実践教育訓練、特定一般教育訓練、一般教育訓練の3種類があります。講座によって、対象となる教育訓練の種類が異なり、給付額が変わります。

雇用保険の加入期間など、教育訓練給付制度の利用にはいくつかの条件があります。ご自身が対象かどうかを知りたい方は、お近くのハローワークにお問い合わせください。また、受講を検討しているスクールの実務者研修が、教育訓練給付制度の対象講座であるかも、忘れずに確認しておきましょう。

●母子家庭自立支援給付金及び父子家庭自立支援給付金事業

母子家庭の母または父子家庭の父の経済的な自立を支援するための施策です。厚生労働省と都道府県や市町村などの自治体が協力して取り組んでいます。

以下のすべてに当てはまる方で、受講を検討しているスクールの実務者研修が、教育訓練給付制度の対象講座である場合は対象となり、実務者研修を修了した場合に、受講費用の60%が給付金として給付されます。

(対象者)

  • 母子家庭の母または父子家庭の父
  • 20歳に満たない児童を扶養している
  • 児童扶養手当の支給を受けているか、または同等の所得水準にある
  • 就業経験、技能、資格の取得状況や労働市場の状況などから判断して、当該教育訓練が適職に就くために必要であると認められた人

自治体により事業の有無や受給資格などが異なるので、詳細はお住まいの自治体にお問い合わせください。

●介護福祉士実務者研修受講資金貸付制度

介護福祉士実務者研修を受講する方に、受講資金を貸付する制度です。各自治体の社会福祉協議会が貸し付けを行っており、例えば、東京都(東京都社会福祉協議会の実務者研修施設在学者向け修学資金貸付事業)の場合は、東京都の区域内に住民登録をしている方や、東京都の区域内の実務者研修施設に在学している方などが対象となり、20万円以内の貸し付けを無利子で行っています。

貸付要件や申請方法などは各社会福祉協議会で設定しているため、居住地または勤務先の社会福祉協議会の制度を確認するようにしましょう。

スクール独自のキャッシュバック制度

条件に合う方は、スクールごとに用意されているキャッシュバック制度なども利用できます。例えば、全国でトータル介護サービスを展開する介護のリーディングカンパニーであるニチイには、修了後にニチイの介護スタッフとして就職すると受講料がキャッシュバックされる制度があります。

就業先はニチイが運営する全国の介護拠点で、ニチイではお仕事相談会で一人ひとりの希望や適性に合った就業先を案内しています。

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介護講座で累計120万人以上の修了生を輩出しているニチイの「受講料キャッシュバック制度」はこちら

働きながら実務者研修の取得を目指す際のスクールの選び方

働きながら実務者研修を受講する方は、以下のポイントを踏まえて、スクールを選びましょう。

スクールまでのアクセスの良さ

実務者研修は、通学が必須となる科目があります。定期券範囲内や自宅・職場の近くなど、無理なく通える範囲にあるスクールを選びましょう。

受講中や修了後のサポート体制

病気などの理由で長期間学習できなかったときに休学する制度はあるか、受講期間内に修了できなかった場合に受講期間を延長することはできるかなど、やむを得ない理由でスムーズに修了できない場合のサポート体制について確認しておきましょう。

そのほか、スクールによっては、学習自体のサポートを無料で提供しているところもあります。例えば、介護のリーディングカンパニーであるニチイでは、「レポート問題」「実技試験」「筆記試験」に対応した3つの無料対策レッスンを用意しています。個別対応による指導で、講師に直接質問もできるため、受講生一人ひとりの疑問に的確なアドバイスで応えてもらえると好評です。

実務者研修の学習時間の確保に不安を抱えている方、知識や技術を効率よく身につけたい方は、手厚いサポートを受けられるスクールがおすすめです。

実務者研修を取得する際は、ライフスタイルや費用に合ったスクール・クラス選びを

実務者研修の取得には、介護職員初任者研修を保有している方でも目安として約4ヵ月、無資格の方であれば最低6ヵ月の受講期間が必要です。

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通信学習だけではなく通学する必要もあるため、自宅や職場などから通いやすいスクールを選びましょう。夜間クラスや休日クラスなど、ライフスタイルに合わせたスクールやクラスを選ぶことも重要です。学習とお仕事との両立を図りながら、無理のない資格取得を目指しましょう。

なお、自社の介護スタッフが実務者研修の資格取得を目指す場合、会社が受講料を負担する制度を設けている事業者もあります。下記はその一例です。

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