2018年08月10日

介護の仕事を目指すなら、介護業界について知っておこう

介護の仕事を目指している方はたくさんいると思いますが、「実際に業界の将来性はどうなの?」「今後も仕事はあるの?」といった点で不安に思う方もいるのではないでしょうか。今回は介護業界のマクロトレンドや介護業界を取り巻く環境、介護業界の求人動向などについてご紹介します。

介護業界のマクロトレンド

厚生労働省が発表した「公的介護保険制度の現状と今後の役割(平成27年度)」によれば、65歳以上の被保険者は2000年4月末では2,165万人でしたが、2015年4月末では3,308万人と、15年間で1.53倍に増加しています。加えて、要介護(要支援)認定者は2000年4月末では218万人でしたが、2015年4月末では608万人と、2.79倍まで拡大。社会の高齢化に伴い、介護サービスを必要とする人は年々増えていくため、介護サービス市場は今後も拡大する見込みです。

cl_t006_01.jpg

介護保険制度のしくみ

介護業界への就職を目指す方であれば、まず「介護保険制度」について知ることが必要です。介護保険制度とは、高齢化の進展に伴う要介護者の増加や介護期間の長期化に対して、社会全体で支え合うことを目的とした制度です。1997年に介護保険法が制定され、2000年から介護保険制度はスタートしました。

介護保険制度は、40歳以上の国民が納めた保険料と、国や地方自治体の税金とを50:50の割合で財源として確保し、介護にあてるというものです。40歳以上の人はすべて加入義務があり、この財源を活用することで介護サービスを利用する人が負担する金額を全体の1割程度に抑え、さまざまなサービスを利用することができるようになっています。

65歳以上は「第1号被保険者」となり、介護認定を受けると介護給付を受けることができます。40歳~64歳までは「第2号被保険者」となり、末期がんや関節リウマチ、初老期における認知症などの特定疾病に該当し要介護認定を受けると介護給付を受けることができます。

介護サービスを取り巻く環境

介護保険制度施行前は、介護サービスを提供できるのは社会福祉法人や医療法人など特定の法人に限定されており、また、財源も税金だけで賄われていたため、十分なサービス提供ができていませんでした。

介護保険制度が施行されてからは、民間参入が認められ、財源も保険料から捻出できるようになったため、民間企業の参入が増加しました。それにより、介護サービスの拡充や多様化につながっています。

介護サービスの種類

介護サービスには、大きくわけて「居宅サービス」「施設サービス」の2つの種類があります。

「居宅サービス」とは、介護福祉士や訪問介護員が利用者の自宅を訪問して日常生活に必要な入浴や排せつ、食事などの支援を行う「訪問介護」、デイサービスセンターなどで介護サービスを提供する「通所介護」、病院や薬局で医師や薬剤師による指導を受ける「居宅療養管理指導」など、主に利用者が自宅にいながら受けることができるサービスを指します。グループホームや有料老人ホームなどの特定施設入居者に介護サービスを提供する場合も、介護保険上の分類は居宅サービスに位置付けられています。

「施設サービス」とは、要介護高齢者のための生活施設である「介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)」、在宅復帰を目指す要介護者のための「介護老人保健施設(老健)」、医療的ケアが必要な要介護高齢者のための長期療養施設である「介護療養型医療施設」の3種類の介護保険施設入居者に提供される介護サービスです。

介護業界の求人動向

これまで説明してきたように、介護サービス市場は社会の高齢化に伴う要介護(要支援)認定者の増加と、介護保険制度の施行によるサービスの拡充および多様化によって今後も拡大が予測される市場です。

そのため、介護福祉士やケアマネジャー、介護職員などの求人需要は高く、厚生労働省が発表した「一般職業紹介状況(平成30年6月分)」によれば、介護サービス職の有効求人倍率は3.83倍と、全体の1.37倍を大きく上回る水準になっています。

介護業界の今後の展望

日本では2010年に、国内人口の約2割が高齢者となる超高齢社会に突入していますが、社会の高齢化はますます進んでおり、特に2025年には空前のベビーブームであった団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となることで、国民の3人に1人が高齢者になると推計されています。

増え続ける要介護者に対する介護サービスの拡充に向けて民間参入が認められるようになったことで、不動産業や生命保険会社、大手スーパーなど異業種からも介護サービス市場への参入が相次ぎ、市場規模としては2014年度の8.6兆円から2025年度には18.7兆円程度まで拡大すると予測されています(デロイトトーマツ発表資料より)。

こうした介護サービス市場の拡大と、労働生産人口の減少もあいまって、介護サービス従事者に対する求人需要は高まっており、今後もこの流れはさらに加速していく見込みです。介護サービス事業者各社とも人材確保・流出防止のため、積極的な採用活動と報酬などの待遇改善に取り組んでおり、介護サービス市場は今後も拡大の一途をたどるでしょう。社会的ニーズの高い介護業界への就職をぜひ目指してみてはいかがでしょうか。

cl_t006_02.jpg
PAGE TOP