2019年08月28日

介護の「接遇」で大切なこと

「接遇」とは、サービス・接客業の世界では耳にすることの多い言葉で、お仕事に取り組むうえでの基本とされています。一般企業の社員研修などでも「接遇」をテーマにしたプログラムが組まれることが多いようですが、介護の世界でも同様で、「接遇」のスキルは非常に大切だとされています。今回は、「接遇」とは何か、どんなことが大切なのかについてご紹介します。

介護職における「接遇」とは

「接遇」の定義

「接遇」とは、サービスを利用するお客様に対して「おもてなしの気持ち」を持って接することや、それを実践する「スキル」のことだと言えるでしょう。接遇のスキル次第で、お客様の満足度や信頼度が大きく変わるとも言われています。

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介護職における「接遇」の重要性

介護の現場では、日々お客様の日常生活を支援したり、直接身体に触れてサポートしたりするため、お客様に信頼していただくことが重要です。接遇のスキルを身につけることは、お客様やそのご家族からの信頼を得ることにつながり、良好な関係を築くための基本になるのです。

「接遇」の内容とポイント

では、「接遇」とは具体的にどのような態度や行動を指すのでしょうか?実践レベルでのイメージはなかなかつきにくいと思いますので、ここでは、「接遇」の具体的な内容と実践するうえで気をつけておきたいポイントをご紹介します。

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身だしなみ

清潔感は好印象を相手にもっていただくうえで大切です。介護の現場では、常に清潔感のある身だしなみを心がけましょう。介護スタッフはお客様の身体に触れる機会が多いお仕事です。下記は一例ですが、こうしたチェックを心がけておくと、お客様やそのご家族も安心して身を任せられるのではないでしょうか。

・衣服の汚れはないか
・頭髪はこざっぱりとまとまっているか
・清潔感のある爪か
・メイクは控えめで印象良くまとまっているか
・無精髭はないか

お辞儀

日本人ならではの習慣である「お辞儀」は相手への敬意やおもてなしの心の象徴です。お辞儀をするときに美しい所作を心がけることは、おもてなしの真心を伝えることでもあります。ペコっと頭だけ下げるお辞儀ではなく、きちんと両足を揃えて背筋をまっすぐにして立ち、腰から上体をゆっくりと傾ける、きれいなお辞儀を心がけましょう。

あいさつ

あいさつは人と人とのコミュニケーションの入口です。明るく元気なあいさつは、する方にもされる方にも気分がよいものです。大切なのは、相手の目を見て、適度な声量であいさつすること。「私はあなたに心を開いていますよ」とはっきりと伝えることが、まだあまり馴染んでいないお客様にリラックスしてもらうきっかけにもつながります。

聞く姿勢

円滑なコミュニケーションのためには、「傾聴(聞く姿勢)」の姿勢が大切だと言われます。お客様それぞれにしっかり寄り添い、「どういうケアをすればよいのか」を感じとっていくために必要なのは、相手が言いたいことを自然に言える環境をつくり出すことです。お客様が何かを言いたそうにしていたら、作業の手を止め、目線を合わせて、「あなたのお話を聞いています」ということを態度でも示すように心がけましょう。

言葉遣い

介護現場でのお客様は、介護職員よりも目上にあたる方が多くなります。親しくなってくるとつい友達のようにしゃべってしまいがちですが、年長者としての自尊心を傷つけることのないよう、馴れ馴れしい言葉遣いには十分注意しましょう。また、お客様が理解できないような介護の専門用語を使ったり、幼児に接するような態度を取ったりするのもNGです。

接遇のスキルを身につけるには

ここでご紹介した内容は、接遇の基礎の一部分ですが、介護職の入門資格である「介護職員初任者研修」では、「接遇」についての基本的なスキルをしっかり身につけることができます。ぜひ、チャレンジしてみてください。

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