
2024年09月02日
医療事務になるには?なるための方法とは
世の中の動きや景気にあまり左右されず、安定した需要があるのが、医療事務です。年齢を重ねても働き続けることができる職業として、関心を持っている人も多いと思われます。実際に医療事務のお仕事に就くためには、どのような方法があるのでしょうか。医療事務として働くために準備しておいたほうがよいことなども含めてご紹介します。
- 医療事務とは
- 医療事務になるために、必要な能力や向いている性格
- 医療事務になるには
- 医療事務になるには、資格は必要?
- 医療事務の資格を取得するには、独学では難しい?
- 医療事務になるには、資格が強い味方となる
医療事務とは
病院や診療所などの医療機関で、主に事務を担当する職種(および、事務に従事している人)が、医療事務です。
医療機関の事務には、一般的な事業所の事務と同様の業務に加えて、医療機関だけに特有の業務もあり、そこでは専門的な知識や技能が求められます。そのため、一般的な事務と区別するために、特に医療事務と呼ばれています。
医療事務には、大きく分けて4つの業務があります。

受付業務
来院された患者様に応対し、健康保険証や診察券の確認を行います。また、来院の目的や症状などを確認し、初診であれば問診票の記入を依頼します。予約制の医療機関では、電話で来院の予約を受け付けるのも医療事務のお仕事です。患者様に初めて接する医療事務は、医療機関の「顔」のような存在と言えます。安心して受診していただけるよう、明るく親切な対応が欠かせません。
会計業務
カルテと「診療報酬点数表」に基づき、患者様負担分の医療費を患者様に伝え、現金やその他の決済方法で支払いを受けたり、精算機での会計を案内します。電子カルテを導入している医療機関では自動で金額が計算されますが、その場合も、医療事務は自動計算された内容に間違いがないかを慎重に確認する役割を担っています。
レセプト作成・点検業務
健康保険組合などの保険者に医療費を請求するために、医療機関が保険者に対して行った医療行為や使用した薬剤などを記した書類が「診療報酬明細書」で、一般的に「レセプト」と呼ばれています。このレセプトを作成しているのが、医療事務です。現在、レセプトは手作業ではなくコンピュータで作成するのが一般的になり、作成されたレセプトの点検が医療事務の主な役割となっています。レセプトの点検には、専門的な知識や技能が求められるため、一般的な事務職との大きな違いと言えるでしょう。医療機関にとっては収入に関わるため、特に重要な業務です。
クラーク業務
診療や処置の準備をしたり、患者様やご家族への応対などを行います。医師や看護師などの医療従事者と患者様の間に立って円滑な医療を支える、医療機関にとって大切な業務の1つです。大きく分けると、外来の患者様への応対や検査の準備を行う「外来クラーク」と、入院に関する事務作業などを行う「病棟クラーク」の2つがあります。
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医療事務になるために、必要な能力や向いている性格
世の中のさまざまな職業と同様に、医療事務にも、働くうえで必要とされる能力や、ある程度の「向き」「不向き」はあると言えます。もちろん、本人の努力や姿勢次第で、医療事務に必要な能力を身につけることは十分可能です。ただ、次に記すような項目に1つでも当てはまる人であれば、医療事務のお仕事で力を発揮しやすいとも言えます。
コミュニケーション能力
来院された患者様への接遇も、医療事務の重要な役割の1つです。患者様に不安や不快感を与えず、求められていることを的確に把握して、必要な対応を取れるコミュニケーション能力が医療事務には欠かせません。また、医療機関の業務は、医師や看護師など医療専門職と医療事務が連携することで成り立っています。"チームの一員"として働くうえでも、コミュニケーション能力は不可欠です。「自分は、どちらかと言えば外交的なほうだ」と自覚している人であれば、医療事務のお仕事を通じてコミュニケーション力を高めることにやりがいを感じられるでしょう。
注意深さ
他の事務職にも共通しますが、数字を扱う機会が多い医療事務には、特に注意深さや慎重さが求められます。「レセプト点検」を例にとると、レセプトには勤務する医療機関の収入に直結する重要な数量や回数、点数などが記載されていますが、内容に間違いがあってはなりません。そのため、一つひとつの作業を確実に行い、入力した内容を再度見直すといった注意深さが求められます。もともと慎重な性格の方は、医療事務に向いていると言えるのかもしれません。
根気強さ
月に一度、「レセプト」を作成・提出する時期は、医療事務の業務量が集中的に増えますが、注意深さや慎重さを必要とする煩雑な作業を続けて行っていると、集中力が途切れて思わぬミスをする可能性もあります。そのため、集中力を切らさず、正確な作業を続けられる根気強さが欠かせません。粘り強さに自信がある方は、医療事務のお仕事で力を発揮しやすいと言えるでしょう。
医療事務になるには
医療事務には専門的な知識や技能が必要なため、即戦力として働くには経験者でなければ難しい面もありますが、未経験から医療事務のお仕事に就いて活躍している人は少なくありません。未経験者が医療事務になるには、大きく分けて、「資格を取得してから、医療事務の求人に応募する」方法と、「未経験や資格がなくても可としている医療事務の求人に応募する」方法の2通りがあります。
資格を取得してから、医療事務の求人に応募する
医療事務の資格を取得してから、資格保有者として、医療機関や医療事務関連サービスを提供する会社の求人に応募して医療事務を目指す方法です。資格を持っていることで、採用選考や、就職後の条件面で有利になる場合もあります。
未経験や資格がなくても可としている医療事務の求人に応募する
医療機関によっては、医療事務として働いた経験がない人や、医療事務の資格を持っていない人でも、採用の対象としている場合があります。新卒・転職を問わず、「未経験可」「資格不問」などとされている求人を探してみてください。
なお、採用後に医療事務として働きながら、資格の取得を目指すのも1つの方法です。資格取得に向けた学習を通じて得られる医療事務の専門知識や技能は、実際のお仕事で大いに役立つことでしょう。
医療事務の雇用形態は?
医療事務の雇用形態は、正社員であったり、アルバイトであったり、派遣社員としての就業だったりと、同じ医療機関であってもさまざまです。フルタイムで働きたいのか、空き時間を活用して育児や家事と両立させたいのかなど、自分がどのような働き方をしたいのかも考えておきましょう。
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医療事務になるには、資格は必要?
医療事務には、民間団体認定の資格がいくつかあります。いずれも、その資格がないと医療事務として働けないという種類の資格ではなく、資格を持っていなくても医療事務のお仕事に就くことは可能です。しかし、資格があれば、専門知識や技能を持っていることの証となりますので、例えば、子育てや親の介護、引越しなどの生活の変化に伴い、転職や再就職をする際、即戦力になり得ることを示すことができ、有利だと言えます。また、医療機関や医療事務関連サービスを提供する会社によっては、給与などの条件面が有利になることもあるようです。
就職後すぐに活躍できる
未経験者が資格を取得せずに就職すると、お仕事を現場で覚えることになり、活躍できるまでに時間がかかります。資格を取得していれば、学習を通じて身につけた知識や技能を、早い段階から実際のお仕事に活かすことができるので、就職後すぐに、即戦力として活躍できる可能性が高いと言えるでしょう。
採用選考でアピールできる
採用する側にとっては、採用後に一から教える必要がある人よりも、基本的な知識や技能をもっている人のほうが採用しやすいと言えます。資格を持っていることで、未経験者であっても、医療事務の専門的な知識や技能を身につけていることをアピールすることができます。

希望の勤務形態や勤務時間を選びやすくなる
医療事務の求人の中には、「資格保有者を優遇」としているものもあります。資格があれば、応募できる案件の選択肢が広がるので、勤務地や勤務形態、勤務時間など、より自分の希望に合ったお仕事先を探しやすくなるでしょう。
転職や再就職時にも知識・技能の証明になる
転居や子育て・親の介護など、やむを得ない事情により、転職・再就職をすることがあるかもしれません。その際、資格があれば全国どこでも、医療事務のスキルがあることを客観的に示すことができます。
収入面で有利になる可能性も
勤務する医療機関や所属する医療事務関連サービスを提供する会社によっては、医療事務の資格保有者に対して、資格手当などを支給する場合もあるようです。
複数ある医療事務の資格は、それぞれに特徴があり、一概に「この資格を取得するべき」と断定することはできません。複数ある中から、自分に適していると思われるものを選んで取得すればよいでしょう。取得した資格は、医療事務として働くうえで力強い味方になってくれるはずです。
「どの資格が自分に合っているのかわからず、1つを選ぶことができない」という方は、数ある医療事務の資格の中でも創設後50年余という長い歴史を有し、日本全国の多くの医療機関で資格保有者が活躍している「メディカル クラーク®」を検討されてはいかがでしょうか。
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メディカル クラーク®の資格・試験についての詳しい解説
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医療事務の資格を取得するには、独学では難しい?
医療事務の資格を取得するための勉強方法としては、大きく分けて「資格スクールなどに通学して学ぶ」方法、「通信教育講座で学ぶ」方法、「独学する」方法の3つがあり、それぞれに長所と短所があります。
「通学する時間がとれない」「できるだけ費用をかけずに勉強したい」などの理由から、「できれば独学で進めたい」と思われる人もいるでしょう。
独学は、本人のやり方次第では、時間も費用もさほどかけることなく資格を取得できるかもしれません。その半面、「どの教材が自分には向いているのか」、あるいは「どのようなスケジュールで学習を進めたらよいか」といったさまざまな要素について、自分自身で一から情報を集め、判断し、決めなくてはなりません。目の前にある選択肢の中から「どれが自分にとって最適なのか」を判断するのは、とりわけ未経験者にとっては難しいでしょう。多くの人にとって、「独学」は実はハードルが高い学習方法だと言えます。
一方、「資格スクールなどに通学して学ぶ方法」や「通信教育講座で学ぶ方法」には、次のようなメリットがあります。
- 資格取得に的を絞ったカリキュラムや教材で、効率よく学ぶことができる
- わからないことがあれば質問できるなど、学習サポートがある
- 課程の修了後に、就職のサポートを受けられる場合もある
また、通学学習に固有のメリットとしては、一緒に学んで励ましあえる仲間がいることで、モチベーションを保ちやすい点があり、通信学習に固有のメリットとしては、自分のペースで無理なく学ぶことができる点が挙げられます。どちらか自分に合った方を選んで取り組みましょう。
以上の点から、医療事務の資格取得を目指すのであれば、「資格スクールなどに通学」または「通信教育講座」で学ぶ方法をおすすめします。
医療事務になるには、資格が強い味方となる

ここまでお読みいただいたように、医療事務として働くためには、大きく「資格を取得してから就職する」方法と、「資格不問の就職先を見つけて、働きながらスキルを身につける」方法の2通りがあります。より有利な条件での就職を希望するならば、前者の「資格を取得してから就職する」方法がおすすめです。資格があれば、採用面で有利になったり、採用後もすぐ即戦力として働ける可能性が高まります。これから医療事務を目指す人にとって、資格は強い味方になるでしょう。
医療事務の資格を取得するためには、自分に合った勉強方法で、しっかり準備して試験に臨むことが大切です。「資格スクール」「通信教育講座」「独学」などの方法がありますが、初めての方であれば、サポート体制も整った「資格スクール」または「通信教育講座」から、自分にはどちらが向いているのかをよく考えて選ぶのがよいでしょう。
まずは資格という心強い味方を手にしたうえで、「医療事務として働く」という目標を叶えてはいかがでしょうか。
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