2019年03月22日

介護職員(介護スタッフ)のお仕事

介護職員とは

介護職員は、介護保険サービスの担い手として、お客様の自宅や介護施設などで、入浴、排泄、食事、移動などの日常生活の援助を行うのがお仕事です。介護によって、お客様がその人らしく、いきいきと充実した生活を送り続けることができ、それを一緒に喜びあえることは、ほかのお仕事にはない介護職員ならではのやりがいです。

日本の総人口のうち65歳以上の高齢者の割合は、2040年には「3人に1人以上」になると予測されています。超高齢社会を迎えた日本では、介護の担い手がとても不足していて、今後も全国各地で介護職員の需要は高まるといわれています。転職や休職からの復帰なども含めて、就業の機会が多いことも、魅力のひとつといえるでしょう。

  • 上位資格を取得することで、着実にキャリアアップできる
  • 全国各地で需要が高い仕事である
  • 専門的なスキルや知識が身につき、家族介護などにも役立てることができる
  • 人の役に立っているというやりがいを感じられる

介護職員の職場

訪問介護の場合はお客様の自宅が職場となり、デイサービス(通所介護)やデイケア(通所リハビリテーション)の場合は、お客様にサービスを提供する施設に勤務します。このほか、特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)や介護老人保健施設、有料老人ホーム、グループホームなどのお客様が入居・入所している施設での勤務があります。

訪問介護

訪問介護では、介護職員がお客様の自宅に伺い介護サービスを提供します。そのため、その家ごとのつくりや生活環境などに合わせたサービス提供が必要になります。基本的には一人の介護職員がマンツーマンで介護にあたりますが、介護を受けるお客様だけでなく、そのご家族ともコミュニケーションをとりながらサービスを提供します。

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デイサービス(通所介護)事業所

デイサービス(通所介護)では、お客様に施設へお越しいただいてサービスを提供します。お客様が可能な限り自宅での暮らしを続けられるように機能訓練やレクリエーションを行うことで、身体機能の維持・向上を図ります。また、自宅で介護しているご家族の負担を和らげることもデイサービスの重要な目的のひとつです。

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入居・入所型介護施設

入居・入所型介護施設には、大きく分けると、主に民間事業者が運営している施設と主に社会福祉法人や自治体が運営している施設があり、ご入居者の要介護度や状況によってさまざまな種類があります。
民間事業者が運営している施設で代表的なのは「有料老人ホーム」です。排泄や入浴などの身体介護サービスを含め生活全般を支える「介護付有料老人ホーム」、食事や洗濯などの生活援助サービスを中心に提供する「住宅型有料老人ホーム」、自立した状態をできるだけ長く維持することを目的に家事サポートや食事提供を行う「健康型有料老人ホーム」の3種類があります。このほか、認知症をお持ちの方が住み慣れた町で共に暮らし続けていくことを目的に生活全般をサポートする「グループホーム(認知症対応型共同生活介護)」もあります。

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社会福祉法人や自治体が運営している施設には、要介護度3以上のご入居者が、終の棲家として過ごす「特別養護老人ホーム」、要介護度1~5まで幅広いご入居者が、自宅生活に復帰するためのリハビリテーションを行う「介護老人保健施設」、医療的ケアが必要な方が入所する「介護療養型医療施設(2024年3月末に廃止)」などがあります。
これらの入居・入所型介護施設では、生活相談員、看護師、機能訓練指導員、ケアマネジャーなど、介護サービスに関わるいろいろな職種の方々と連携しながら、介護サービスを提供します。

介護職員の業務

介護職員の業務には、訪問介護では身体介護と生活援助があります。「身体介護」は、着替え、食事、入浴、排泄などお客様の身体に直接触れるような介護のことで、「生活援助」は、身体介護以外の、掃除、調理、買い物など日常生活の援助を行う介護のことです。
いずれの業務も、介護職員はケアマネジャーが作成したケアプランに沿って、個々のサービスごとに作成された介護計画に基づき、サービスを提供します。このとき気をつけたいのは、ケアプランや介護計画と異なるサービスを提供した場合、介護報酬の請求ができないなどの問題が生じること。「お客様の力になりたい」という気持ちを大切にしながらも、プロとして必要な介護保険制度の知識や判断力をしっかり身につけておくことが大切です。

身体介護

食事介助や入浴介助をはじめ、トイレへの移動や動作の介助、おむつ交換などを行います。また、お客様が寝たきりの場合は、床ずれが起きないように体位変換を行ったり、移動のお手伝いをしたりします。
直接身体に触れる介護ですので、お客様に安心して介護を受けていただけるよう、しっかりとした知識や介護技術はもちろんのこと、目を見る、聴き取りやすい声で話すなど、コミュニケーション技術も大切です。

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生活援助

料理や掃除・洗濯・日用品の買い物などの家事全般や薬の受け取りなど、お客様が自分一人で行うことが難しい部分をサポートします。
料理や洗濯など、働くうえで日頃の家事経験が活かせる場面もたくさんあって、まずはここからお仕事に慣れていく介護職員もたくさんいます。ただし、家事はお客様それぞれで求めるやり方が違うことも多いので、介護する際はお客様とのコミュニケーションを密にして、信頼関係をつくることがとても大切になります。

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介護職員の雇用形態・勤務時間

介護職員には、正社員、パート、アルバイトなど、さまざまな雇用形態があります。特別養護老人ホームや、介護老人保健施設、有料老人ホームなどの入居・入所型施設の場合は夜勤業務などもありますが、就業先の施設においてシフトの希望や調整などにより、家事や育児とうまく両立して働いている方も多くいます。
パート勤務から働き始めた方が、実務経験を積んで上位資格を取得し、正社員として雇用されたり、管理職になることも珍しくなく、将来のキャリアアップを目指したい人にもおすすめのお仕事です。

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とっておきたい資格

介護職員初任者研修

介護職員として働くためには、食事の介助や更衣、入浴介護など、高齢者や障がい者のさまざまな状態に合わせて専門的なサポートを行うために、介護の基礎知識と技術を備えている必要があります。「介護職員初任者研修」を修了することでこれを証明できるので、これから介護のお仕事に就きたいと考えている未経験の方でも、就業の可能性が広がります。
活躍中の多くの介護職員が、まずはじめに「介護職員初任者研修」を修了し、実務経験を積んでいます。その後上位資格である「介護福祉士実務者研修」を修了し、さらに国家資格である「介護福祉士」資格の取得に挑戦するというキャリアパスも目指せます。

「介護職員初任者研修」では、都道府県により多少異なりますが、94時間の通学講習と約36時間の自宅学習を並行して行ったのち、1時間の修了試験(筆記試験)を受け、これに合格することで資格が取得できます。
修了試験合格によって証明される知識と技術は、介護職員としてのベースとなるもので、一生涯、全国で通用します。「介護職員初任者研修」は、介護職員として働くうえでのパスポートでもあるのです。

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