2019年02月28日

調剤薬局事務のお仕事

調剤薬局事務とは

調剤薬局事務とは、調剤薬局や保険薬局併設型のドラッグストアなどに勤務し、調剤報酬の点数算定・会計、調剤報酬明細書の作成などといった医師が患者様に処方する医薬品の代金請求に関わる事務業務と、患者様の受付応対などを行うお仕事です。

調剤薬局は日本全国に数多くあることから調剤薬局事務の需要も高く、求人はどの地域でも比較的多いので、未経験からでも就職しやすく、また、スキルや経験があればブランクがあっても復職しやすいお仕事です。自分の住む町の薬局やドラッグストアを選べば「職住近接」も実現でき、正社員だけでなくさまざまな勤務形態があることから、家事や育児との両立をはかりたい方や、ワークライフバランスを重視したい方にとっても働きやすいという魅力があります。

近年では国の政策により「医療機関から院外処方せんを受け取り、処方せんに基づいた薬を保険薬局で受け取る」という医薬分業率が年々高まってきていることから、調剤薬局事務に対する注目度はますます高まっています。

  • どの地域でも比較的求人が多い
  • 未経験でも年齢や性別を問わず働ける
  • 家事や育児などと両立して働きやすい
  • ブランクがあっても復職しやすく、長く働きやすい
  • 実生活でも役立つ薬や調剤報酬の知識が身につく
  • 医療業界で人の役に立つやりがいを感じられる

調剤薬局事務の職場

調剤薬局や保険薬局併設型のドラッグストアなど、調剤薬局事務のスタッフはさまざまな職場で活躍しています。勤務先の薬局の規模によって、対応する業務の幅は変わってきます。

調剤薬局

一般的な町の調剤薬局です。全国的に数が多いのが特長で、大規模な病院の周辺には調剤薬局が2件以上あることも多く、自分の都合にあった勤務先を探しやすいといったメリットがあります。

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保険薬局併設型のドラッグストア

大きなドラッグストアやチェーン展開しているドラッグストアでは、保険薬局を併設しているところも増えてきています。普段の生活でもよく利用するような店舗で働くことができます。

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一般薬店

保険薬局を併設しておらず薬剤師の常駐しない一般薬店においても、調剤薬局事務の資格保持者は薬の知識を備えていることから、就職に有利になる場合があります。専門的な知識を活かして、販売員などとして働くことが可能です。

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調剤薬局事務の業務

調剤薬局事務の業務は主に、受付・会計・保険請求業務の3つに分けることができます。
保険請求業務は、レセプトと呼ばれる調剤報酬明細書を作成し、社会保険などの保険者に調剤報酬の請求を行う業務です。会計業務では、受け取った処方せんの情報をもとに、調剤報酬を算定し、会計を行います。受付業務では、患者様から保険証や処方せんなどをお預かりしたり、お薬手帳の有無を確認するといった応対を行います。
患者様や薬剤師と接する機会も多いことから、知識やスキルと同時に、コミュニケーション能力と責任感も求められます。

保険請求業務

患者様ごとに「レセプト」と呼ばれる調剤報酬明細書を作成し、国民健康保険や社会保険などの保険者に保険請求を行います。薬局の収入に直接影響する業務なので、ミスのないように責任感を持って作業する必要があります。

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会計業務

患者様から受け取った処方せんの情報をもとに、調剤報酬のルールに従ってレセプトコンピュータに入力し、点数を算定します。その後、患者様から費用の徴収を行います。知識とスキルを活かし、正確性とスピード感を意識して業務を行います。

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受付業務

受付で患者様から保険証や処方せんをお預かりしたり、問診票や受付表を手渡すなどといった応対を行います。患者様が一番最初に声をかける存在であり、薬局の印象に影響するので、にこやかで丁寧かつ、わかりやすいコミュニケーションを意識し、患者様が安心できるような応対を心がけます。

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調剤薬局事務の雇用形態・勤務時間

調剤薬局は日本全国に多数存在することから、調剤薬局事務にも比較的多数の求人があります。正社員やパートなどさまざまな雇用形態と勤務場所があるので、家から近い職場を選べば、通勤時間を短縮できたり、職場によってはお昼休みに自宅に戻って家事をするといったようなこともでき、自分の生活に合わせた働き方がしやすいといえます。
専門性を活かして働くことができるため、時短勤務などが認められるケースもあります。

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とっておきたい資格

調剤報酬請求事務技能認定

実務未経験から調剤薬局事務を目指すのであれば、「調剤報酬請求事務技能認定」の資格を取得しておくことをおすすめします。
調剤報酬請求事務技能認定を取得するには、資格認定機関である(一財)日本医療教育財団が定めるカリキュラムの教育訓練を修了する必要があります。修了試験には学科と実技があり、各科目全問正解で合格となります。受講中であれば何回でも提出できるので、チャレンジしやすい資格だといえます。

また、調剤薬局事務として活躍されている方のなかには、医療事務の資格を取得し、ステップアップや活躍の場を広げるため、調剤報酬請求事務技能認定を取得したという方が多くいます。
調剤薬局事務の学習範囲は、医療事務講座(医科)で学習する診療報酬請求事務に類似しているので、同時に学習することで、2つの資格を取得するための学習時間や手間を大幅に抑えることが可能です。

医療事務の資格には、代表的なものとして「メディカル クラーク®(医科・医療事務)」があります。
「メディカル クラーク®(医科・医療事務)」資格試験の受験資格は不問で、年12回行われています。学科試験と筆記形式の実技試験Ⅰ(患者接遇)、実技試験Ⅱ(診療報酬請求事務/診療報酬明細書点検)があり、各科目の得点率が70%以上で合格となります。テキストの参照が可能なため、比較的チャレンジしやすい資格だといえます。独学も可能ですが、専門の教育講座を受講すれば1.5ヵ月から3ヵ月で資格を取得できる可能性もあります。


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