2020年11月02日

歯科助手のお仕事

歯科助手とは

歯科助手とは、主に歯科医院(歯科クリニック・歯科診療所)において、歯科医師の診療介助や来院された患者様の受付、会計など、歯科医院におけるさまざまなサポートを行うお仕事です。歯科助手は、国家資格である歯科衛生士とは異なり、患者様の口腔内に直接ふれる行為は行えませんが、治療で使用する器具の滅菌や消毒などの技工物管理など、医療費の請求がメイン業務の医療事務より、さらに診療に近い範囲までを業務とします。
歯科助手は、歯科医療にかかわる専門職であるとともに、受付で患者様に応対する機会も多いため、知識やスキルと同様に、コミュニケーション能力が問われるお仕事です。来院される患者様のなかには小さなお子様や歯科が苦手な方も多く、患者様の不安を取り除くために、相手の立場に立った振る舞いや心配りが求められます。コミュニケーションを取ることが好きな方や、歯科医療の現場で人の役に立ってみたいと考えている方におすすめのお仕事です。
また、歯科医院の件数は増加傾向にあり、それに合わせて歯科助手の求人数も増加しているので、働く場所を選びやすいことも魅力のひとつでしょう。

  • 歯科医療の現場で、人の役に立つやりがいを感じられる
  • 専門的な知識やスキルを身につけることができる
  • 予約制のため歯科医院の受付時間内の勤務が多く、残業が少ない
  • ブランクがあっても復職しやすい

歯科助手の職場

歯科医院(歯科クリニック・歯科診療所)

歯科助手は主に歯科医院(歯科クリニック・歯科診療所)で活躍しています。
歯科医院は全国に約67,000施設が存在し、最も多い東京都では10,000件以上もあります※。歯科医師が治療に専念しやすい環境づくりを行うことは、競争の激しい歯科医院において、治療の質を高めるために重要とされています。そのため、受付から診療介助まで対応できる歯科助手は、全国各地でニーズの高い人材だといえるでしょう。

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(※)引用:厚生労働省『医療施設調査』2023年6月末 医療施設動態調査

歯科助手の業務

歯科助手の業務は、大きく4つに分けることができます。歯科助手の中心的な業務である「診療介助業務」、治療器具の滅菌・消毒などを行う「技工物管理業務」、来院された患者様の受付・会計や予約などの電話対応、診療後のアフターフォローなどを行う"クリニックの顔"としての「受付業務」、患者様の治療費の計算・請求を行う「会計業務」です。

診療介助業務

診療介助とは、歯科医師や歯科衛生士などの施術者に対して行う診療の補助行為のことで、チェアサイドアシスタントとも呼ばれます。具体的には、器具の受け渡しやバキュームの保持、セメントや印象材の練和などがこれにあたります。歯科助手のお仕事のなかでも中心的な業務で、歯科医師や歯科衛生士のアシスタントとして、患者様と歯科医師との間に立ち、コミュニケーションを取りながら業務を進めていきます。

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技工物管理業務

歯科医師が治療に専念するために、歯科助手は術後の治療器具の滅菌・消毒などといった技工物の管理や、薬品の整理・発注といった専門的な知識を求められる業務も行います。

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受付業務

受付で来院された患者様の保険証や診察券の確認、問診票の記入の依頼などを行います。歯科が苦手な方も多いので、受付では患者様の不安を取り除くためのコミュニケーションが必要です。
予約制の歯科クリニックでは、スケジュールがずれることのないよう、その日の治療の流れを把握することも大切な業務です。

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会計業務

患者様の診療が終了したら、診療費の会計を行います。
診療内容をコンピュータに入力し、患者様負担分の費用を徴収し、領収書を発行するのが主な業務です。歯科医院の収入に直接関わる業務なので、ミスのないように正確性を意識して業務を行います。

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歯科助手の雇用形態・勤務時間

歯科助手には、正社員以外にも、パートやアルバイトなどといった多様な雇用形態があります。求人の数も全国的に増加傾向にあることから、結婚や出産などに伴うライフステージの変化にも働き方を柔軟に合わせやすく、またブランクがあった際にも安心して復職することができます。
歯科医院は予約制が多くタイムスケジュールが明確なことから、診療時間以降の診療が少ないこともあって比較的残業も少なく、家事や育児などと両立して働きやすい職場だといえるでしょう。

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とっておきたい資格

歯科助手技能認定
メディカル クラーク®(歯科・医療事務)

歯科助手を目指す場合には、「歯科助手技能認定」などの資格を取得するパターンが一般的です。歯科助手技能認定を取得するには、資格認定機関である(一財)日本医療教育財団が定める教育訓練カリキュラムを修了し、申請手続きを行う必要があります。
歯科助手として働くための専門知識やスキルは、一度身につけてしまえばどんな現場でも活かすことができます。医療の現場では実務経験があれば即戦力として活躍しやすいことから、一生を通して役立つ資格だといえます。

また、歯科助手の業務範囲には、受付業務や会計のほか、レセプト作成・点検といった医療事務(歯科)の業務も含まれますので、レセプトをしっかりマスターできる医療事務(歯科)の資格「メディカル クラーク®(歯科・医療事務)」を取得することは、歯科助手スタッフとしての能力を高めるうえで大変重要です。歯科助手として就業する際、医療事務(歯科)の資格を取得していることが有利になる場合もあります。

医療事務(歯科)の代表的な資格「メディカル クラーク®(歯科・医療事務)」試験の受験資格は不問で、年6回(5月、7月、9月、11月、1月、3月に)行われています。学科試験と筆記形式の実技試験Ⅰ(患者応対)、実技試験Ⅱ(診療報酬請求事務/診療報酬明細書点検)があり、各科目の得点率が70%以上で合格となります。試験はご自宅で受験する在宅試験で、テキストの参照が可能なので、比較的チャレンジしやすい資格だといえるでしょう。


[初回公開日 2020年03月23日]

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